2022年度「平和のきずな献金」 学習資料
「ミャンマー国軍のクーデターにより、養育者を失った子どもたちの生活・教育支援」
(「アトゥトゥミャンマー支援」を通して)
1.
みなさんは、ミャンマーという国がどんな国か知っていますか?ミャンマーでは、1年半前から、多くの子どもたちが、これまでのように学校に行って勉強できない状況が続いています。
命の危険を感じながら暮らしている人たちもいます。それはなぜなのでしょうか?
2.
ミャンマーは、東南アジアにあり、お隣の国は、インド、中国、バングラディッシュ、ラオス、タイです。日本の約2倍の広さで、人口は約半分です。そのうち90%はビルマ族ですが、135以上の民族が住んでいます。公用語はビルマ語ですが、それぞれ違う言葉を話します。民族衣装も違います。そして、日本には、ミャンマーから来た人が、3万5千人以上暮らしています。
3.
なぜ、ミャンマーの人たちは、命の危険を感じながら生活しなければならなくなったのでしょうか?77年前の戦争で、ミャンマーは、日本軍が支配するようになりました。戦争が終わってからは、ビルマとして独立しました。けれども、人びとの暮らしは良くならず、民族同士の争いが続きました。2015年に、ついに選挙によって新しい国のリーダーが選ばれました。新しい国のルールを作ろうとしたとき、2021年2月1日、町に戦車が走り、新しいリーダーが国軍につかまってしまいました。これを軍事クーデターといいます。この時をさかいに、人びとの暮らしは変わってしまいました。
4.
町の人びとは、話し合いで国のルールをつくりたいと、声を合わせて言いました。
国軍は、やめさせようとして武器で脅しました。自分の意見や気持ちを話したら、捕まってしまうようになりました。これまでに、何千人もの人が、国軍によって捕まったり、殺されてしまいました。けれども人びとは、危険だとわかっていても、あきらめずに声をあげ続けています。
5.
クーデターの後、国軍が学校で何を教えるかを決めるようになりました。
たくさんの子どもと大人たちは、軍人になるための勉強をしたくないし、させたくないと思いました。そこで、学校に行かないで、自分たちで勉強することにしました。
学校の先生たちも、平和がほしいと考えて、国軍の言うことを聞かないようにしました。
6.
コロナ感染が広がって、町では多くの人が治療が受けられず、命を失いました。
田舎の村では、国軍によって家が燃やされてしまいました。住んでいた人びとは、村を捨て、山奥やジャングルなどに逃げないといけなくなりました。みんな、食べ物が手に入らなくなり、とても困りました。何十万人もの人が、ミャンマーの国内や周りの国に逃げて、避難生活をしています。
7.
ジャングルや山奥に逃げている子どもたちも、勉強をして、平和のために働く人になってほしいと、先生たちは、建物がなくても教えます。子どもたちは、机がなくても一生懸命勉強します。
8.
1年前の夏に爆発的に広がったコロナ感染で、親が亡くなった子どもたちや、親が国軍に抵抗して捕まってしまった子どもたちがいます。そんな子どもたちは、キリスト教会やお寺で一緒に寮で生活することになりました。お弁当を作ってみんなで食べながら、キリスト教や学校の勉強を教えてもらっています。裁縫(ぬいもの)や英語を習う人が多いです。
9.
そのためには、他の国からたくさんの助けが必要です。「アトゥトゥミャンマー支援」からも献金を送っています。「アトゥトゥ」とは、ビルマ語で「共に」という意味で、「ミャンマーと共に」という名前です。その献金は、仕事を失って食べる物が買えないで困っている人びとへ、食料を届ける働きにも使われています。
10.
日本から集めたり、献金で買った文房具を、ミャンマーの教会の人たちのつながりで、子どもたちに届けました。「大切なあなたに学んでほしいよ」というメッセージと一緒に、一人ひとりに手渡しします。
11.
避難している人は、布団がなくて困っているので、日本からダウンジャケットを集めて送りました。教会の庭で暮らしている子どもたちは、このジャケットを布団にして寝たり、寒い時には着ています。ミャンマーは大半は温暖な気候ですが、山の地域の冬は、寒くなります。
12.
日本に住んでいるミャンマーの人たちと一緒に、ミャンマーの平和を願って、毎週金曜日の夜に、オンラインで心を合わせてお祈りしています。このお祈り会から、支援のグループ、「アトゥトゥミャンマー支援」ができました。
お祈りは、わたしたちとミャンマーの人びとと神さまをつなぐ大切なものです。
ミャンマーに1日も早く平和が戻るように、ともに祈っていきましょう。
写真・文:「アトゥトゥミャンマー支援」
製作:NCC教育部 2022年9月
(写真の無断転載はご遠慮ください)
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