2023年度「平和のきずな献金」 学習資料
「カンボジア アガペホーム 子どもたちに神さまの愛と教育を」
(「日本バプテスト女性連合」を通して)
1.
みなさんは、カンボジアという国を知っていますか?
世界遺産になっているアンコールワットが有名です。このごろ経済的にとても発展していますが、
一方ではずっと学校が足りない状況が続いています。
日本のいろいろな団体が支援して建てられた学校がいくつもあります。それはなぜでしょうか?
2.「カンボジアの紹介」
答えを考える前に、カンボジアについて紹介しましょう。カンボジアは東南アジアにあり、お隣の国は、ベトナム、ラオス、タイです。広さは日本の約半分で、人口は約1/7です。
ほとんどの(90%)の人がクメール人で、他に36の民族がいます。公用語はカンボジア語(クメール語)が話されています。仏教徒が多いのですが、キリスト教徒やイスラム教の人もいます。
3.「悲しい歴史」
カンボジアでは、1970年から20年間、国の中で戦争があり、ポル・ポト政権の間に200万人もの人々が殺されるという出来事が起こりました。学校や病院などの先生たちが多く命を奪われ、学校も破壊されました。子どもたちは兵士になる訓練や仕事をさせられ、学校に行けなくなりました。1990年代になってやっと戦争が終わり、新しい国作りが始まりました。
4.「カンボジアの教育」
今は、日本と同じ、小学校、中学校は義務教育です。ほとんどの子どもは小学校に入りますが、途中でやめてしまう子もどもも少なくありません。中学を卒業する人は半分以下で、大学に行く人は、とても少ない(5%)です。
それは、なぜなのでしょうか?
5.「学校にいけない子どもたち」
理由の一つは、先生として働く大人が、戦争の時代に殺されてしまって足りていないこと。そして学校も壊されてしまったので、足りないのです。
もう一つの大きな理由は、カンボジアの都市は発展しましたが、それ以外のところではまだまだ貧しい家庭が多く、子どもが学校をやめて働かないと、暮らしていけないからです。
学校に行っている子どもも、貧しくてご飯がちゃんと食べられないせいで、病気になる子どももいます。
6.「アガペホームの始まり」
このような貧しい子どもたちのためにアガペホームが作られました。インドの宣教師、アドノさん(左)とメレンラさん(右)が、2005年に家を借りて始めました。
2人はミッションスクールの小学校の先生でしたが、お腹がすいて泣いている子どもや、体調の悪い子どもがたくさんいることに心を痛め、何とかしたいとお祈りしていました。
そして、2人で少しずつお金をためて、子どもの家、アガペホームをプノンペンに作ることができました。
7.「アガペホームでのくらし」
アガペホームでは、親と暮らせない子どもを引き取って一緒にくらします。親を亡くした子ども、親がお酒ばかり飲んで世話をしてもらえない子ども、親がたくさんお金を借りて村から逃げてしまい、置き去りにされた子どもたちなどです。アガペホームでは一緒にご飯を作り、一緒に礼拝します。ここから学校に通って勉強します。
8.「コロナの時もいっしょに食事」
コロナ感染が広がったときは、家のある子どもは一時、家に帰しましたが、月に一度は呼び戻して一緒に食事をしました。コロナ前までは、アガペホームのみんなで近くの村の教会にお手伝いに出かけていました。毎年秋にはバイブルキャンプを開いていましたが、2年間活動ができませんでした。
9.「村の子どもたちと日曜学校」
2022年から村の教会のお手伝いを再開することができました。月に一度、近くの村に行きます。メレンラさんとアドノさんは、おとなの教会で説教をしています。
アガペホームの子どもたちは、日曜学校でリーダーとして教えています。この写真で、紙芝居を読んでいるのは、アガペホームの中学生です。教会のお手伝いを再開することができたことを神さまに感謝しています。秋にはバイブルキャンプができますようにと祈っています。
10.「プノンペンの教会で賛美をリード」
地元プノンペンの教会でも、アガペホームの子どもたちは、礼拝賛美のリードをしたり、日曜学校で教えたりしています。礼拝賛美チームのメンバーになったり、大きな教会で奏楽の奉仕もしています。
それぞれ力を合わせて練習し、奉仕の場を広げています。
11.「アガペホームの卒業生」
昨年は、アガペホームの卒業生たちが再会し、喜びあいました。正社員として働く人や大学生になりました。ハンナさん(右から3人目)は、親から置き去りにされ、赤ちゃんの時からアガペホームにいます。神さまの愛の中で仲間と一緒に育ちました。頑張って勉強し、今はカンボジア大学でコンピューターを学んでいます。ボランティアで子どもたちにピアノを教えたりもしています。
子どもたちが、元気に生き生きと暮らせるように、これからもお祈りしてくださいね。
写真・文:「日本バプテスト女性連合」
製作:NCC教育部 2023年9月 (写真の無断転載はご遠慮ください)
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