2023年度「平和のきずな献金」 学習資料
「インドの農村に生きるダリットの子どもたち
-少女たちが学び続けられるように-」
(ACMSA: Association of Community Movements for Social Action の活動を通して)
1. 表紙
「インドの農村に生きるダリットの子どもたち
-少女たちが学び続けられるように-」
2. アキムサ(ACMSA[注])の活動
皆さんはインドがどこにあるか知っていますね?そう、この矢じるしの先にある国ですね。私たちは、南インド、タミル・ナードゥ州の北の端に30程あるダリットの村々で活動しています。インドの農村では、昔から、高い身分の人と低い身分の人とに分かれていて、別々な場所で暮らしていました。
ダリットの人たちは低い身分です。高い身分である地主の畑で、ダリットの人々は子どもたちも一緒に畑で働きます。でも、1日中働いても500円ぐらいしかもらえません。
[注] ACMSA:Association of Community Movements for Social Action
1986年にダリットによって結成された登録NGO
3. 少女たちのシェルター(避難場所)
お父さんが病気で亡くなるとお母さんは収入がなくなるので、子どもたちは学校をやめて働きはじめます。お母さんも働けるように、女の子たちは、私たちも一緒に建てた「シェルター・ニューライフ」という女の子だけの寄宿舎で、奨学金(支援)を受けて暮らします。シェルターは4人部屋で、部屋は3つあります。女の子たちは着るものや文房具など、ほとんど何も持っていません。夜はシェルターで勉強し、朝は学校へ通います。
4. 子どもたちは自分の夢を語ります
奨学金を受ける子どもたちは親と別々に生活しています。今日は久しぶりの交流会です。親たちとの会話がはずみますが、恥ずかしがり屋の子どもたちが多く、やっと自分の名前が言えただけでも「大きな進歩」です。みんなの前で話すことで、恥ずかしさを乗り越えていきます。子どもたちはひとりひとり立派に将来の夢を語ることができました。
5. 生まれてすぐにごみ箱に捨てられた子どももいます
シェルターで暮らす少女たちは、家庭の貧しさだけでなく、親からの暴力に苦しんでいる子どももいます。中には、生まれてすぐにゴミ箱に捨てられた子どももいます。シェルターでの生活は、大きな声で怒られたり、びくびくする必要もなく、安全で安心して暮らせる場所です。それは子どもたちの成長にとって一番大切なことなのです。
6.
一番小さいこの2人は、いつも一緒。まだお家が恋しそうですね。時間がある時2人は「聖書」を読んでいました。まだまだお父さんやお母さんに甘えたい年なのに、さびしさを我慢して、シェルターのお掃除やお洗濯も一生懸命しています。
7. 毎年、1月はポンガル(伝統のおまつり)
ポンガルは伝統的な収穫のお祭りです。毎朝玄関先に、お米の粉で色鮮やかな「コーラム」をお祭の日まで新しく描き続けます。「コーラム」の上を人が歩いてこすれていくと、聖なる神々がやってきたのだと思えます。お祭りの日までのたいせつな行事なのです。
8. クリスマスの祝会
クリスマスには、シェルターの隣りに住んでいる先住民族の人たちもやって来ます。
いつもは離れて暮らしているお父さんやお母さん、親せきの人たちもやって来て、歌い、踊り、プレゼントの交換をします。女性たちへの差別を訴える劇(スキット)もありました。
9. 初めてお誕生日を祝ってもらった少女
左側の女の子は、シェルターに来て、生まれて初めてお誕生日をお祝いしてもらいました。
この写真は、お祝いのケーキをカットする時、それまで固かった表情が明るくゆるんだ瞬間です。
小さい時からずっと苦労してきたのでしょう。シェルターでの生活は安全なので、安心して勉強ができると言っていました。
10 .休日には、おとなたちの研修会にも参加します
差別と闘ったダリット出身の国会議員・アンベトカルさんの生き方を学びます。ダリットの村には井戸がありません。以前は、ご飯の用意や洗濯をするのに、高い身分の人たちの村にある井戸まで毎日水を汲みに行き、村に入る時はサンダルを脱いではだしで歩かされました。そこで、お母さんたちは力を合わせて村まで水道を引きました。水道を引いたことで生活が大きく変わりました。
11. デボーションタイム
学びの前には、心を静めて一人ひとりが黙って神様と向き合います。ジョン牧師と聖書を読み、祈り、イエス・キリストの愛を学びます。たくさんの問題を抱えている子どもたちが困難を乗り越えていかれるよう、まっすぐな気持と希望を育てています。
12. 自分の夢にチャレンジしてほしい
インドでは、ダリットであることや女性であることで、あきらめなくてはならないことがたくさんあります。一人でも多くの少女が奨学金をもらって勉強を続け、大学に進み、看護師・医師・教師など、自分の夢にチャレンジできるよう願っています。苦労して育ててくれた親たちや親せきに喜こんでもらい、自分と同じような子どもたちにも希望をもってもらいたいからです。
皆さんもダリットの子どもたちのためにお祈りし、応援してくださいね。
写真・文 ACMSA: Association of Community Movements for Social Action
製作:NCC教育部 2023年9月 (写真の無断転載はご遠慮ください)
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