2021年度「平和のきずな献金」 学習資料

 

 

                 

バングラデシュの子どもたちがコロナ後も勉強をつづけるために

 

 

(アジアキリスト教教育基金[ACEF])

 

 

1.表紙


2.みなさんは、バングラデシュという国を知っていますか?日本から飛行機を乗りついで8時間、インドのお隣にある日本の半分よりも小さな国です。(日本の面積の40%、北海道と東北地方をあわせた大きさ)そこに、日本よりも多くの人(1億6千万人、世界第8位の人口)が住んでいます。

「バングラデシュ」とは「ベンガル語を話す人の国」という意味で、自分たちの言葉をとても大切にしています。昔は、インドをはさんで西側にあるパキスタンと一つの国でしたが、言葉を取り上げられそうになったので、50年前の1971年に独立しました。最初はとても貧しい国で、子どもが学校にいけるようになったのは1991年でした。その時からエイセフはバングラデシュでいっしょに学校を作り始めました。

 


3.

①村には学校がなかったので、家の軒先や大きな木の下で勉強を始めました。

 

②雨が降ると困ります。簡単な草の屋根と壁だけの小屋を立てて勉強するようになります。

 


4.

③それでも地べたに座って文字を書くのは、とても大変です。

 

④村の人たちは、何とかして学校がほしいと思い、学校を建てる場所を手に入れ、トタン屋根と竹の壁でできた学校を建てました。机と椅子があると、ノートに字を書くのがとても楽になりました。

 


5.

⑤でも毎年洪水やサイクロン(台風)がくるので、竹の壁の学校は長もちしません。

 

⑥そこで、少しずつレンガの校舎に建替えていきました。このように最初からレンガの校舎をプレゼントするのではなく、村の人たちと話し合いながら自分たちの学校と思えるように、だんだん頑丈な校舎にしていきました。

 


6.サイクロン(台風)や洪水がきてもこわれない、頑丈なレンガの校舎ができて、子どもたちもおとなたちも大喜びです。

日本のみんなが助けてくれたので、全部で40以上のレンガの学校が建ちました。今は42の学校で5000人くらいが幼稚園、小学校(1~5年)で勉強しています。

 


7.バングラデシュでは、お父さんやお母さんが働いている間、子どもたちが小さい妹や弟のめんどうをみたり、ごはんの用意や水くみなど、お家の手伝いをたくさんします。

 


8.エイセフの学校では、授業は朝からお昼までか、お昼から夕方までですから、働きながらでも勉強できます。それでも、お友だちといっしょに勉強したり、遊んだりすることはとても嬉しい時間です。

 


9.そうやってレンガ造りの学校もできて、働きながらでもみんなが学校にいけるようになったのに、去年の3月からコロナウィルスのせいで学校がお休みになってしまいました。

今も学校は閉まったままです。エイセフの学校に通っているお友だちがコロナにうつらないように、マスクと石鹸をくばりましたが、幼稚園から小学校にあがるはずのお友だちもまだ学校での勉強ができていません。5年生で卒業するはずだったお友だちは、卒業式もないまま終わってしまいました。お父さんやお母さんの仕事がなくなった子どもは、中学校にはいけないかもしれません。

 


10.田舎の学校の小学校5年生のミティラちゃんがお手紙を送ってくれました。「私は町のみんながこんなに悲しんでいるのを今までに見たことがありません。仕事もなくなり、食べ物の値段も高くなって、食事が1日1回になったり、何も食べられない日もあります。学校も長い間休校になりとても悲しいです。勉強はできないし、友達とも遊ぶことができません。いつも不安で恐ろしいです」。

 


11.首都ダッカにあるスラムの学校に通うリサちゃん(13才、5年生 入学が遅れた生徒も受け入れている)の手紙には、「今は家の近くの小さい子どもたちに勉強を教えるのを手伝っています。お手伝いをしたら手作りの食事をもらえるので、外に出るのはこわいけれど年下の兄弟を食べさせていくためには仕方がありません。洋服をつくっていたお母さんの仕事もなくなりました。友達と会って遊びたいし、学校に行って勉強をしたい。神様が世界中の多くの子どもたちの祈りに応えてくださいますように」と書かれています。

 


12.学校に子どもたちが元気な笑顔でやってくる日を心待ちにしています。コロナにかかったり、お父さんやお母さんの仕事がなくなったことで学校に来ることができなくなる子ども、学校に行かずに働かないといけない子どもが一人もいなくなりますようにと祈っています。

皆さんもバングラデシュの子どもたちのためにお祈りしてくださいね。

 


13.今はコロナのためバングラデシュへの旅行はできませんが、日本の高校生や大学生がまた「スタディツアー」に参加して、バングラデシュの子どもたちと友だちになれる日を待っています。

これからもバングラデシュやアジアの人たちと一緒に平和にくらせる世界をつくろうと活動してくれることを願っています。

 


最後のページ            おわり

 


写真・文:アジアキリスト教教育基金[ACEF]

製作:NCC教育部2021年9月

                          (写真の無断転載はご遠慮ください)